デジタルオペレーションマネージメントの有力企業であるPagerDuty(ページャーデューティー)は、ビジネスオペレーションにおけるAIへの依存度が高まっていることを示す調査結果を発表した。オーストラリア、フランス、ドイツ、日本、英国、米国など、さまざまな地域のITおよびビジネスエグゼクティブ1,500人を対象に実施されたこの調査では、サービス停止やセキュリティーイベントなどの危機的状況において、AIエージェントが企業に代わって行動することを81%ものエグゼクティブが信頼していることが明らかになった。このデータは、AI技術への信頼の高まりと、危機管理におけるAIの不可欠な役割を浮き彫りにしている。
この調査ではまた、AIが実験的なツールからビジネスオペレーションの不可欠な要素へと移行していることも明らかになった。エグゼクティブの74%が、AIなしでは自社の事業運営は困難だと回答しており、AIへの依存度が急速に高まっていることが浮き彫りになっている。AIはもはやパイロットプロジェクトや試験運用に限定されず、ミッションクリティカルなインフラとして認識されている。この調査では、AIがソフトウェア開発において広く活用されていることも明らかになった。回答者の84%が、コードの作成、レビュー、または提案にAIを活用していると回答している。
さらに、この調査では、エージェント型AIの導入が急速に進んでおり、企業の75%が複数のAIエージェントを導入していることが明らかになった。これらの企業の4分の1は、5つ以上のAIエージェントを導入している。AIへの信頼が高まっている理由は、AIの出力向上、肯定的な結果をもたらす利用頻度の増加、AIへの理解の向上、そして監視体制の強化にある。興味深いことに、従業員1万人未満の小規模企業はAIへの依存度が高く、77%がAIを業務に不可欠だと考えている。
しかし、この調査では懸念事項も浮き彫りになった。AIの導入が増加しているにもかかわらず、経営幹部の85%は、AIツールのエラーや障害を検出するための手順を改善する必要があると考えている。さらに、企業の84%が少なくとも1回のAI関連の障害を経験したと回答しており、より優れたレジリエンス計画の必要性を示している。AIを活用した運用管理の複雑さも懸念事項の一つであり、AIエージェントを1つしか導入していない企業の回答者の76%が、AI導入に伴う複雑さが、それを管理する必要がある人員数を上回ると考えている。この懸念は、AIエージェントを複数導入している企業ではさらに高く、79%だった。
PagerDutyの調査結果は、ビジネスオペレーションにおけるAIへの依存度が高まっていることを明確に示している。AIが進化を続け、ビジネスプロセスへの統合が進むにつれて、企業はAIの導入と活用に伴う課題と複雑さに対処することが不可欠になる。
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出典:PagerDuty