PagerDuty(ページャーデューティー)の最新調査によると、ヨーロッパ全域でエージェント型AIの導入に大きな変化が見られる。調査によると、フランス、ドイツ、英国の企業の大多数が複数のAIエージェントを導入しており、デジタルインフラの重要なレイヤーとしてのAIへの信頼が高まっていることが示されている。この傾向は特にソフトウェア開発とインシデント管理において顕著で、AIエージェントはパイロットプログラムの段階を超えて拡張されている。
コーディングの分野では、AIは成熟し、広く採用されているツールとなっている。調査によると、フランスでは87%、英国では85%、ドイツでは80%の企業が、コードの作成、レビュー、または提案にAIを使っている。これは、世界平均の84%をわずかに上回っている。AIは自動テスト、デバッグ、さらにはアーキテクチャーレベルの推奨事項にも活用されており、ソフトウェア開発プロセスにスピード、一貫性、そして品質をもたらしている。
インシデント対応に関しては、ヨーロッパの経営幹部は、世界の経営幹部よりもエージェント型システムへの信頼度が高いことが示されている。調査によると、英国では88%、フランスでは84%、ドイツでは82%が、障害発生時やセキュリティーイベント発生時にAIエージェントが組織に代わって対応することを信頼していることが明らかになった。これは、世界平均の81%を大きく上回っている。AIエージェントは現在、問題を特定・トリアージし、フェイルオーバーをトリガーし、十分に理解されたインシデントに対して修復を実行できるため、解決までの時間を短縮し、運用のレジリエンス(回復力)を高めることができる。
AI導入の増加は、AIが生成したアウトプットへの信頼の高まりによって促進されている。調査によると、フランスの経営幹部の81%、英国の経営幹部の78%、ドイツの経営幹部の77%が、AIのアウトプットを1年前よりも信頼していると回答している。この信頼は、AIの精度と信頼性の目に見える向上、AIの頻繁な活用、そして監視と管理策の改善に起因している。しかしながら、調査ではAI関連のエラーや障害を検出・防止するためのより強力な手順の必要性も浮き彫りにしており、より積極的なガバナンスへの要望が示されている。
AIがワークフローに深く浸透するにつれ、増大する複雑性を管理し、チームへの影響を軽減する必要性への認識が高まっている。調査によると、英国の経営幹部の84%が、AIがもたらす複雑性は、まもなく対応可能な人員数を上回ると考えている。これは世界平均の76%を大きく上回り、フランス(77%)とドイツ(67%)では懸念度が低いことが報告されている。
PagerDutyによるこの調査は、ヨーロッパにおいて、信頼できるデジタルオペレーションの基盤として、エージェント型AIの導入が進んでいる状況を浮き彫りにしている。企業はAIエージェントを活用することで、より迅速なコーディング、よりスマートな対応、そしてより確実なオペレーションを実現している。しかし、今後はAIを実験的な技術ではなく、運用インフラとして捉え、このインフラに必要なガバナンス、スキル、そしてパートナーシップに投資していく必要がある。
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出典:PagerDuty

