BLOG
PagerDuty Process Automationでの自動化がビジネスにもたらす価値を計算する

投稿:2023年3月1日   |    更新:2023年3月27日

IT部門の予算が厳しい昨今、プロジェクトの正当化や拡大には、投資対効果の証明が不可欠です。よいニュースは、自動化は必要な人間の労力を減らすことでコストを削減 できるということです。これは、ロボット掃除機に投資するのと似ています。初期費用はかかりますが、人間が掃除機をかける必要がなくなるので、時間(とお金)を節約できるのです。

自動化プログラムによってもたらされる価値の報告は、自動化の対象によってその価値が大きく異なるため、困難なケースがあります。プロジェクトの提案では、特定の手動タスクを自動化することで、時間やコストの削減を予測できます。このような節約を追跡し報告することで、プロジェクトのビジネスインパクトを示せます。では、トラッキングとレポーティングはどう簡素化できるのでしょうか。

PagerDuty Process Automationには、ROI Metric Dataプラグインという機能があります。ROI Metric Dataプラグインは、自動化が実行されるたびに価値を提供するというシンプルな原則に従っています。自動化開発者は、自動化で節約した時間:10などの主要な値を定義することで、価値の指標を指定します。

ジョブが実行されるたびに、これらのメトリクス値は実行のログエントリーに追加されます。また、このプラグインは、実行に関する他のメタデータとともに、これらの実行のJSONレコードを抽出するエンドポイントを提供し、これらのメトリクスを長期的にコンパイル、計算、分析することが可能です。 ではここから、自動化プロジェクトが提供するビジネス価値追跡のためのパターンをいくつか紹介します。

人件費削減による節約を報告する

タスクを自動化することで得られる最も直接的なメリットは、代替となる労働力のコスト削減です。PagerDuty Summit 2022でBrinks社のRobert Powers氏が共有したこのユースケースを例に挙げます。同社では、データ転送を繰り返し行っており、スタッフが5~10時間かけて手作業で行っていました。

このプロセスをPagerDuty Process Automationで自動化することで、毎週1人の仕事の1/4を占めていたこのプロセスを、自動タスクに変え、人間による作業時間を0にしました。 image5-1024x604.png データ転送自動化プロジェクトのコスト、機会、利益の基準

ROI Metric Data Pluginを使ってこのシナリオで生成された価値を追跡するには、このプロセスの実行記録にこのメトリックを含めるために、値10でメトリックhours_savedを定義するだけです。これにより、このプロセスの実行ごとに節約された時間の合計を示す、簡単なメトリックをエクスポートできるようになります。自動化ジョブに機能を追加すると、これらの値は時間の経過とともに変化する可能性があるため、このような任意のキーバリューのアプローチを選択しました。この方法では、データをグラフ化する際に、キー名を変更しない限り、新しいバージョンの自動化の値を古いバージョンと比較できます。

あなた自身のシナリオでは、自動化を試みる作業を手作業している担当者が、どのくらいの時間をかけているかを判断したいところでしょう。これは望む最終結果に応じて正確にできます。見積もりでもいいですし、観察によって平均的な時間を割り出すこともできます。平均値や推定値は、hours_savedなどのキーとペアにした値になります。コスト削減や作業量分布の変化を追跡したい場合は、従業員の職種別にこれらを分けられます。キーと値のペアを、さらにDBA_hours_saved、senior_engineer_hours_savedなどに定義するだけです。投資対効果を計算したい場合は、自動化を作成するために必要な時間も記録しておく必要があります。また、分析時に値を金額で定義したり、時間を金額に換算したりすることもできます。

image3-1.png ここでは、ジョブの実行ごとに記録される2つのキーと値のペアを作成しました。Hours_Saved : 1.25 と Dollars_Saved : 250 です。

ジョブ実行データをTableauなどのお好みのレポートツールにアップロードしてください。ユーザーやジョブごとに異なる指標の集計を時系列でグラフ化できます。例えば、ユーザーによる手動実行とスケジュールされたジョブ実行で節約できた時間を表示できます。節約した金額は、定義したメトリクスから直接計算することも、異なる時間メトリクスをコストに変換することによっても計算できます。

image4.png

ここでは、スケジュールされたジョブ実行とユーザーによるジョブ実行によって、お金と時間の節約につながることを示すログデータをチャート化した例を紹介します。

これらの指標を投資対効果に変換するには、自動化の導入に関連するコストを追加する必要があります。上記で紹介したお客様の事例では、20FTE時間(同等の人件費を想定)が自動化されたプロセス作成のためのコストとなりました。これに1年以上のメンテナンスが含まれると、次のようになります。520 FTE時間節約 - 20 FTE時間(自動化するための時間) = 500時間節約(運用開始1年目のみ)

自動化の成果でメトリクスを調整する

自動化が実行されればいつでも価値を提供するという原則に基づき、自動化の結果に応じた価値の算出が望まれるでしょう。これは、失敗したオートメーション実行をフィルターすることにつながります。

自動化の実行が失敗する理由はさまざまです。ジョブ定義自体に問題がある場合もあれば、ジョブを終了させないノードやワークフロー・ステップから報告されたエラーもあります。このような失敗した実行は、値計算の対象から除外することをお勧めします。

image2-1.png 失敗したステップを含むジョブ実行例

アナリティクスを実行する際、統合されたシステムからの外部障害による失敗をフィルターするよう選択できます。

image1-1.png 節約した時間やお金、仕事の状況が分かるチャート例

ROI Metric Data Pluginはバージョン4.7からPagerDuty Process Automationで利用できるようになり、PagerDuty Runbook Automationの一部として利用することもできます。ROI Metric Data Pluginを使用した作業の詳細については、Process Automation Documentationを参照してください。

まだPagerDuty Process AutomationまたはPagerDuty Runbook Automationのユーザーでない方は、今すぐデモまたはトライアルを予約してください


この記事はPagerDuty社のウェブサイトで公開されているものをDigital Stacksが日本語に訳したものです。無断複製を禁じます。原文はこちらです。

book-markカテゴリー :ベストプラクティス