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最適なインシデント対応ソフトウェアの選び方

投稿:2022年4月25日   |    更新:2022年9月9日

デジタルエコシステムの複雑化に伴い、インシデントがかつてないほどのスピードで発生しています。さらなる負担に対処するため、インシデントレスポンダーは、労力とノイズを減らし、適切な人材を適切なタイミングで現場に投入する、拡張性と再現性のあるインシデント対応プロセスの確立を支援するソフトウェアに注目しています。

最高のインシデント対応ソフトウェアは、インシデントのライフサイクル全体に対応します。アラートノイズの低減から詳細なインシデント分析の提供まで、インシデント対応ソフトウェアは、インシデント解決のための自動的および人的要素の両方をカバーし、収益の損失、顧客体験の低下、チームの燃え尽きなどを防止する必要があります。

インシデント対応ソフトウェアとは?

レスポンダーは、インシデントを迅速に解決する必要があることを理解していますが、リソースと時間の不足により対応に手間取っています。インシデントの特定、解決、予防に対する最新のアプローチがなければ、何が本当に修復を必要としており、何が後回しでよいのかがわかりません。このため、非効率的で部分的にしか効果のない消火活動のサイクルから抜け出せず、長期的なイノベーションと計画的な業務への投資が妨げられています。

インシデント対応ソフトウェアは、インシデントが発生するたびに、チームがリアルタイムで適切なアクションを取ることを支援し、重要なインシデントの迅速な解決と今後の発生を防ぐための知識の習得につなげます。さらに、ステークホルダーや経営陣に情報を提供し、顧客への影響を軽減することができます。チームは、合理化されたエンドツーエンドの対応によって、より大量のインシデントを管理し、レトロスペクティブ(振り返り)によって対応プロセスを継続的に改善することができます。

インシデント対応ソフトウェアの特徴

レスポンダーの動員

インシデント対応ソフトウェアは、業務上の問題やインシデントが、常にリアルタイムで対応できる適切な個人またはチームに送られるようにする必要があります。理想的には、レスポンダーはどこにいても、どのデバイスからでも、問題に対する通知を受け取り、直ちに行動を起こすことができる必要があります。

レスポンスの自動化

チームは、どのような優先度のインシデントに対しても、適切な対応を設計する能力と自律性を備えていなければなりません。自動化能力は、診断から自動修復に至るまで幅広く対応する必要があります。つまり、レスポンダーはインシデントに関する正しい情報を即座に得ることができ、自動化によって人の介入なしにインシデントを解決できる可能性さえあるのです。

ステークホルダーとのコミュニケーション

今日のインシデント対応においては顧客への影響を軽減するために技術チーム以外の協力も必要です。経営陣、サポート、さらにはマーケティング、法務、営業などのステークホルダーは、レスポンダーの作業を中断することなく状況を把握する必要があります。インシデント対応ソフトウェアは、レスポンダーが対応プロセスをできるだけ中断させることなく状況の更新を伝えられるようにする必要があります。

統合化する能力

チームは、インシデント情報の収集、進捗状況の記録、および全体のコミュニケーションを行うために、さまざまなツールを使用しています。インシデント対応ソフトウェアは、モニタリングツール、ITSMツール、チャットやビデオ会議などのコラボレーション・コミュニケーションツールなど、チームが既に使用しているツールと統合されていることが理想的です。

オペレーショナルインサイト

インシデント対応ソフトウェアは、時間の経過とともにチームが向上するよう支援する必要があります。アナリティクスは、過去のシステムパフォーマンスの全体像を把握することで、よりスマートでリアルタイムの意思決定を可能にします。

インシデント学習

振り返りは、合理的な学習プロセスを提供し、インシデントの解決と予防をより効果的に行えるようにします。インシデント対応ソフトウェアでは、タイムラインを作成し、インシデントの重要な進展を文書化し、今後の改善計画を立てることができるようにする必要があります。

インシデント対応ソフトウェアのメリット

レスポンダーの健康と体験の向上

インシデント対応ソフトウェアを導入することには、多くのメリットがあります。重要な利点の1つは、レスポンダーの健康と体験です。オンコールで対応することは大変なことであり、疲弊し、燃え尽き症候群や離職につながる可能性があります。ノイズや労力を制限するインシデント対応ソフトウェアがあれば、最前線にいるチームは、消火活動の時間を減らし、イノベーションに多くの時間を費やすことができます。

社内コミュニケーションの向上

インシデント発生時のコミュニケーションは重要であり、技術チーム内や技術チーム間だけではありません。ビジネスチームもインシデントにどう対応すべきかを知っておく必要があります。営業はデモを延期すべきか。マーケティングはキャンペーンを一時停止すべきか。サポートはチケットの増加に備えるべきか。インシデント対応ソフトウェアによって、チームはこれらの社内ステークホルダーとコミュニケーションを取り、全員が同じ見解を持つことができます。

お客様との信頼関係の向上

顧客の期待はかつてないほど高まっており、インシデントは信頼を損なって解約につながる可能性さえあります。インシデント対応ソフトウェアを使用すれば、対応プロセスが合理化され、MTTRが向上し、顧客のためにサービスをより早く復旧させることができます。さらに、インシデントの状況について顧客と積極的にコミュニケーションをとり、信頼と透明性を高めることができます。これによって、競合他社に差をつけることができます。

結論

インシデントの量と複雑さが増すにつれて、組織は収益の損失と顧客体験の低下のリスクにさらされています。インシデント対応ソフトウェアは、チームが重要な業務に迅速かつ適切に対応し、関係者全員の体験を向上させるために役立ちます。インシデントは避けられないものですが、最高のインシデント対応ソフトウェアは、対応者がサービスを迅速に正常な状態に戻し、組織全体に拡大する改善を行うために必要なツールを提供します。

この記事はPagerDuty社のウェブサイトで公開されているものをDigital Stacksが日本語に訳したものです。無断複製を禁じます。原文はこちらです。

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