今日の統合されたデジタルエコノミーでは、ほとんどの企業のITインフラストラクチャはもはやサイロ内に留まっていることはできません。統合の圧倒的なメリットは、新しいアイデアやソリューションを急速に発展させられることです。残念なことは、統合と接続性の向上は自分たちの会社とユーザーを、サイバー攻撃、コンピュータウィルス、インフラストラクチャの問題のリスクにさらすことにもなる、ということです。
組織がシステムを保護し、データと顧客を保護するための対策に投資することが不可欠です。組織は、何かが起こる前に明確なインシデント対応計画を策定しておく必要があります。侵害または顧客に影響を与えるインシデントの検出後には、応答チームを率いる人を探し、誰が関与する必要があるかを決めるのに時間をかけるべきではありません。必要なのは、包括的なインシデント対応計画であり、企業のリーダーシップを含む総合的な対応として事前に用意されていなければなりません。
インシデント対応チームはどこまで包括する必要がある?
インシデント対応チームを組織する際は、ITインフラ、開発、品質保証の担当者を含めるべきです。しかし、他にもその代表を含めるべき部門が多数あります。
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会社のリーダーシップ
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広報
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法務
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人事
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顧客サービス
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危機管理
インシデント対応チームは、インシデントに対する組織の対応を監督し指揮する責任を負うべきですが、リスクを軽減しインシデントが発生する前に予防することも義務付けられます。チームのフォーメーションは、まず適切な対応計画の策定に焦点を当てて、インシデントが発生しないように対策を実施する方向に移行する必要があります。インシデントの予防と対応にさまざまな部門が関与すべき理由と、その方法を決定するために各機能を見てみましょう。
会社のリーダーシップ
インシデント対応チームの創設と成功には、最高レベルの企業リーダーの積極的参加が不可欠です。リーダーの積極性は適切なサポートを可能にし、組織のあらゆる側面にわたるチームとの整合性を確保します。リーダーシップの関与は、インシデントのフォローアップにおいても重要です。インシデントに対応する各リーダーとビジネスの調整は、効果的で迅速に対応するために不可欠です。
広報
インシデントのフォローにおいて、広報担当者が企業とユーザーの主要な接点になります。広報活動の準備の中で重要な責務は、包括的な情報開示方針の策定と、他のチームと連携して、特定の種類のインシデントに対して実行可能なシナリオに沿って対策を実施することです。
法務
法務は、契約や企業責任を担当するチームとして、会社のデータと知的財産の完全性を保護するための法的枠組みを開発する重要な役割を担っています。インシデント発生直後の期間に、法務は会社の責任を決定し、開示および通知に関する法的義務が適切に処理されるようにリードします。
人事
人事には、インシデント対応チームの初期開発段階で、社内から来た人であろうと、組織外で雇用された人であろうと、適切な人材が適切に配置されるようにする責任があります。
人事にはさらに他のチームと協力して、機密データへのアクセスを含む従業員向けのポリシーを策定し、従業員にそのポリシーを教え、必要に応じて従わせる責任があります。
顧客サービス
企業の外向きの顔として、顧客サービスチームは、潜在的な脅威を見つけて報告し、ユーザーへ事態の状況を明確に伝えるという重要なポジションにいます。さらに、既存の情報開示方針に精通し、インシデントがいつ誰にエスカレートされるべきかを理解している必要があります。また、渉外担当者は、外部ユーザーとの作業の中で直面する可能性のあるデータセキュリティ要件と潜在的な脅威を熟知している必要があります。
危機管理
最後に、危機管理チームは、コンピュータセキュリティチームと協力して、リスクが発生する前にリスクを特定し軽減するポリシーを開発し実装します。また、他のチームと連携して脆弱性評価法を開発し、実施し、潜在的なインシデントの早期警告システムとして機能する脅威検出指標を設定して監視する必要があります。
強力な防御が効果的な攻撃を可能にする
インシデント対応はIT部門の責任ではありません。ITは、対応チームで重要な役割を果たしますが、組織全体の全チームの協調的な努力こそが、インシデントに対し統一され調整された対応を可能にします。企業がインシデントを処理するための強力な防衛戦略を策定したら、インシデントが発生する前にリスクを特定し、リスクを軽減することに焦点を当てるべきです。